標本化

信号の標本化例。連続信号が緑色の線、サンプリングした離散信号が青色の縦線。

標本化ひょうほんかまたはサンプリング: sampling)とは、連続信号を一定の間隔をおいて測定することにより、離散信号として収集することである。アナログ信号をデジタルデータとして扱う(デジタイズ)場合には、標本化と量子化が必要になる。標本化によって得られたそれぞれの値を標本値(ひょうほんち)という。パルス符号変調などで用いられる。

連続信号に周期 T {\displaystyle T} のインパルス列を掛けることにより、標本値の列を得ることができる。この場合において、周期の逆数 1 / T {\displaystyle 1/T} サンプリング周波数標本化周波数)といい、一般に f s {\displaystyle f_{s}} で表す。

周波数帯域幅が f s {\displaystyle f_{s}} 未満に制限された信号は、 f s {\displaystyle f_{s}} の2倍以上の標本化周波数で標本化すれば、それで得られた標本値の列から元の信号が一意に復元ができる。これを標本化定理という。

数学的には、標本化されたデータは元信号の連続関数 f ( t ) {\displaystyle f(t)} くし型関数 c o m b ( f s t ) {\displaystyle comb(f_{s}t)} の積になる( f s {\displaystyle f_{s}} サンプリング周波数)。 これをフーリエ変換すると、スペクトルは元信号のスペクトル F ( ω ) {\displaystyle F(\omega )} が周期 f s {\displaystyle f_{s}} で繰り返したものになる。 このとき、間隔 f s {\displaystyle f_{s}} F ( ω ) {\displaystyle F(\omega )} の帯域幅より小さいと、ある山と隣りの山が重なり合い、スペクトルに誤差を生ずることになる(折り返し雑音)。

関連項目

理論
サブフィールド
テクニック
標本化