シカゴ (1937年の映画)

曖昧さ回避 「シカゴ (2002年の映画)」とは異なります。
シカゴ
In Old Chicago
監督 ヘンリー・キング
脚本 ラマー・トロッティ
ソニア・レヴィン
原案 ニーヴン・ブッシュ
製作 ダリル・F・ザナック
出演者 タイロン・パワー
アリス・フェイ
ドン・アメチー
音楽 ルイス・シルヴァース(音楽監督)
撮影 J・ペヴェレル・マーリー
編集 バーバラ・マクリーン
配給 20世紀フォックス
公開 アメリカ合衆国の旗 1937年12月
日本の旗 1939年2月
上映時間 111分
95分(短縮版)
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 約1,800,000ドル
興行収入 1,500,000ドル(北米配収)
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シカゴ』(原題・英語: In Old Chicago)は、1937年に製作・公開されたアメリカ合衆国の映画である。1871年シカゴ大火をクライマックスシーンとしてヘンリー・キングが監督、タイロン・パワーアリス・フェイドン・アメチーが主演した。

あらすじ

1854年アイルランド移民のオリアリー一家はシカゴに向う。その途中で夫パトリックを不慮の事故で亡くすも、妻モリーはシカゴで洗濯屋を営み、3人の息子ジャック、ダイオン、ボブを育て上げる。十数年の月日が経ち、ジャックは改革派の弁護士として活躍、ダイオンは街の実力者ウォーレンの片腕として力を持つようになり、ボブは母の仕事を手伝っている。

ある日、ダイオンはウォーレンがニューヨークから連れて来たスター歌手ベルに一目惚れする。そして彼女を引き抜いて共に酒場を開き、大成功を収める。名実共に街の実力者となったダイオンに、ウォーレンは市長に立候補するので票集めに協力するように依頼する。表面上はウォーレンを支持する一方、ダイオンは街の改革のため、兄ジャックを市長に担ぎだすことを考える。ダイオンが裏で動いていることを知らないジャックは周りからの強い勧めにより立候補を決める。一方、ジャックが選挙戦で苦戦していると知ったダイオンは警察本部長の弱みを突いて脅迫し、ウォーレンの取り巻き連中を逮捕させて選挙当日に投票できなくする。これによりジャックは市長に選出される。

市長となったジャックは街の改革のため、ダイオンらが行っている違法行為を告発、不正を明らかにしようとベルを証人として召還する。するとダイオンは改心したふりをしてベルとの結婚をジャックに執り行ってもらうが、それがベルを妻にすることで証人としての資格をなくさせるためのものであると知ったジャックは激怒し、ダイオンに絶縁を告げる。そんな兄弟の諍いを知った母モリーは急いで2人の下に向おうとするが、その際に納屋に置き忘れたランプをが蹴飛ばしたために出火、折からの乾燥と強風により、街全体を襲う大火事となる。

オリアリー兄弟を憎むウォーレンは、市長ジャックが街を廓清しようと火を放ち、それにダイオンも加担しているとの噂を流して人々を煽動する。消火活動を先頭に立って指揮していたジャックの下にダイオンがボブと共に現れ、ジャックとダイオンは和解するが、そこにウォーレンが集団を率いてやって来る。延焼を防ぐために街の一部を爆破しようとしている市側とそれを止めようとするウォーレンらとの乱闘の中、ジャックはウォーレンの部下に撃たれ、爆破した建物の下敷きとなる。そしてウォーレンは逃げる際に牛の群れの下敷きになる。

爆破を逃れたダイオンとボブはボブの嫁と子に再会する。一方、避難の途中でボブの嫁とはぐれたモリーはベルに助けられる。そんな2人をダイオンはようやく見つけ出す。燃え盛るシカゴの街を前に、生き残ったダイオンがジャックの遺志を継いでシカゴを新たな街として蘇らせるとモリーは亡き息子ジャックに誓う。

キャスト

  • ダイオン・オリアリー - タイロン・パワー: アイルランド移民の息子。
  • ベル・フォーセット - アリス・フェイ: ニューヨークの売れっ子スター。
  • ジャック・オリアリー - ドン・アメチー: ダイオンの兄。正義感の強い改革派の弁護士。
  • モリー・オリアリー[1] - アリス・ブラディ: ダイオンとジャックの母。
  • ピックル・ビクスビー - アンディ・デヴァイン: ダイオンの相棒。
  • ギル・ウォーレン - ブライアン・ドンレヴィ: 街の実力者。市長に立候補する。
  • アン・コルビー - フィリス・ブルックス: ダイオンの商売に投資している上院議員の娘。
  • ボブ・オリアリー - トム・ブラウン: ダイオンの弟。若くして家庭を持ち、母の仕事を継ぐ。

スタッフ

  • 監督:ヘンリー・キング
  • 製作:ダリル・F・ザナック
  • 原案:ナイヴン・ブッシュ
  • 脚色:ラマー・トロッティ、ソニヤ・レヴィン
  • 音楽監督:ルイス・シルヴァース
  • 撮影:J・ペヴェレル・マーリー
  • 編集:バーバラ・マクリーン
  • 美術:ウィリアム・S・ダーリング、ルドルフ・スターナッド
  • 装置:トーマス・リトル
  • 衣裳:ロイヤー

史実との違い

オリアリー夫人の名前がキャサリンからモリーに変えられ、夫人の子の数が違う(息子1+娘1 → 息子3)など、オリアリー家についてはほぼ全てフィクションである[2]

アカデミー賞受賞・ノミネーション

その他

当初、ヒロインにはジーン・ハーロウが起用されることになっていたが、彼女の急死により、アリス・フェイに変更された[2]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ シカゴ大火の原因となった(とされる)牛の飼い主である実在の人物キャサリン・オリアリー (Catherine O'Learyがモデル。なお、この「オリアリー夫人の牛が火事を起こした」という話は当時のシカゴ・トリビューン紙の記者マイケル・アハーンによるねつ造であったことが本人の証言で明らかになっている。詳細は英語版ウィキペディア「en:Catherine O'Leary」参照。
  2. ^ a b 英語版ウィキペディア「en:In Old Chicago」参照。

外部リンク

1910年代
  • The Mate of the Sally Ann (1917)
  • Beauty and the Rogue (1918)
  • Powers That Prey (1918)
1920年代
  • 乗合馬車 (1921)
  • ホワイト・シスター (1923)
  • ロモラ (1924)
  • ステラ・ダラス(英語版) (1925)
  • 夢想の楽園 (1926)
  • 魔炎 (1927)
1930年代
  • 春を讃へる (1931)
  • あめりか祭 (1933)
  • 心の緑野 (1934)
  • Marie Galante (1934)
  • 廻り来る春 (1935)
  • ラモナ (1936)
  • 勝鬨 (1936)
  • シカゴ (1937)
  • 第七天国 (1937)
  • 世紀の楽団 (1938)
  • 地獄への道 (1939)
  • スタンレー探検記 (1939)
1940年代
  • 大紐育 (1940)
  • メリーランド(英語版) (1940)
  • Chad Hanna (1940)
  • 英空軍のアメリカ人 (1941)
  • 追憶 (1941)
  • 海の征服者 (1942)
  • 聖処女 (1943)
  • ウィルソン (1944)
  • アダノの鐘 (1945)
  • マージー(英語版) (1946)
  • 征服への道 (1947)
  • 海の呼ぶ声 (1948)
  • 狐の王子 (1948)
  • 頭上の敵機 (1949)
1950年代
1960年代
  • 夜は帰って来ない (1962)
オムニバス映画
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